本記事を読んでいる方は、新入社員研修の内容や、外部教育機関を探している方が多いかもしれません。ここでは、オススメの新入社員研修の方法や外部教育機関の活用方法についてご紹介します。
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おすすめの新入社員研修の方法について
インターネットで「新入社員研修」と検索すると、ビジネスマナーやマインド形成、プレゼンテーションなど様々な研修が見つかります。また、対面やオンライン、eラーニングなど、研修スタイルも多岐に渡ります。
「どのような研修スタイルで、誰が、どのような内容の研修を行うのが良いですか?」という質問を受けることがありますが、研修の「実施目的」により異なります。
- 新入社員にビジネスマナーの知識を定着させたい
- 新入社員に身体を使ってビジネスマナー、ビジネススキルを覚えさせたい
- テスト形式で新入社員のビジネスマナーとビジネススキルを確認したい
実施目的を3つに絞って詳しく解説していきます。目的別に研修スタイル・研修講師・研修内容を紹介しますので、是非ご参考ください。
①新入社員にビジネスマナーの知識を定着させたい
ビジネスマナーの基礎知識全般を学ぶことを目的とする場合、講師の能力によって受講者が学べる知識量に差が出ないように、また、研修費用を抑えるために、eラーニングがおすすめです。
eラーニングでは、受講者がビジネスマナーの基礎知識をまとめた映像を視聴できるため、学習内容に差が生じることはありません。また、途中で映像を停止したり、巻き戻したりすることもできるため、受講者が学びたいときに自分のペースで学習できます。
②新入社員に身体を使ってビジネスマナー、ビジネススキルを覚えさせたい
ビジネスマナーやビジネススキルを身につけるためには、紙面の教材や映像だけでは限界があります。映像教材が今ほど普及していなかった時代と比較すると、映像を使って視覚と聴覚を刺激するという手法は画期的でした。
しかし、その反面、映像を見て「できると勘違い」してしまう人も増えました。特徴としては、理解しているつもりでも、いざ自分がその場面に遭遇した際に行動できないことや、行動が遅れてしまうことが多々あります。
そのため、新入社員にビジネスマナーやビジネススキルの習得を目的とする場合、対面研修で社内講師が職場の実態に適した研修を実施することが望ましいです。
社内講師が不在の企業や社内講師としての能力を持ち合わせていない場合、外部教育機関を利用することも有益です。
外部教育機関を利用する場合
外部教育機関を利用する場合は、対面研修だけでなく、Zoomなどを活用したライブ形式のオンライン研修も効果的です。外部講師は、指導・教育のプロフェッショナルであり、ライブ形式であれば対面に近いトレーニングを提供できます。実際に私たちの企業でも、全国に拠点を持つ企業の研修を担当する際には、各拠点からZoomにアクセスしてもらい、全拠点で同時にロールプレイングの実施など、画面越しに体を動かしていただきます。その際、新入社員以外の先輩社員も最低1名同席することで、緊張感を保った研修を行っています。
③テスト形式で新入社員のビジネスマナー、ビジネススキルを確認したい
テスト形式で新入社員のビジネスマナーとビジネススキルを確認・定着させることを目的とする場合、外部教育機関の外部講師による対面研修を実施することも良いでしょう。
外部教育機関を活用する利点は、受講者が知識や技能の習得に緊張感を持ちながら受講できることと、外部講師が他社の事例をふまえた注意点や個人の特性に基づいて、その場で指導・指摘できることです。
社内講師の場合の利点もありますが、特に中小企業の場合だと、新入社員が日常業務の中で社内講師と対話することが多いため、どうしても緊張感が薄れてしまいます。
テスト問題や社内検定問題を制作するメリット
弊社では、テスト問題や社内検定問題を制作させていただくこともあります。
検定と聞くと、漢字検定や英検、日商簿記検定などを想像される方が多いでしょう。弊社の定義する社内検定とは、企業の理念や行動指針(ミッション・ビジョン・バリュー等)や社内ルールを取りまとめて、テスト形式にしたものを指します。
社内検定の実施を通して、各社の教育・人事担当者がその結果をもとに自社の採用の特徴を把握する機会にもつながっています。
また、フィードバックも行い、受講者全員で振り返りを行うことで、受講者の目線に合わせた指導・教育を行うこともできます。社内検定を実施することは、自社の現状を把握することのみならず、問題文を読むことで理解を促す・知識を付けられるという点も評価をいただいています。
Sトレの社内検定・フィードバック研修を受けた受講者からの声
実際に社内検定・フィードバック研修を行った中で上がった受講者からの声です。
※対象者は新入社員以外にも実施しています。
- 「社会人になってから、文書を読み込み、自分で考え、アウトプットする機会が少なかったので、社内検定自体が勉強の機会になりました。」
- 「色々な事を感じて考える事ができました。今まで何となくのイメージでしかなかった事を言語化する事ができなくて難しく感じることもありましたが、今現在の自分と向き合うとても大切な時間だったと思います。」
- 「知ること、それについて考える時間の大切さを感じました。」
- 「自店舗についてどのぐらい知っていて今、店長の○○さんがどんな事を考えて行動しているのか、後輩たちがどんな事を考えて仕事に取り組んでいるのか深く考えた事がなかったので、店舗でしっかりコミュニケーションをとり、まずは相手を理解したいと思いました。そしてスタッフの事を知って向き合って必要な知識をインプットしてとことん考え抜いて良い店舗にしていきたいです。」
- 「最も印象に残った点は、“役職における役割”です。課長を務めさせていただいている立場で、いざ言語化してみると課長の役割が漠然としか頭になかったのが正直なところです。何となく理解はしていたものの、とりあえず目の前で起きたアクションに対して向き合っている状況でした。忙しいということを理由にしっかりと課長という役割に対して向き合えていませんでした。そのため自信を持って問題に解答することができなかったことが悔しく感じました。」
- 「自分と向き合う、とても良い時間になりました。恥ずかしながら、わからない事だらけでしたが今後の仕事に活かしていきます!」
- 「会社が何を求めていて、自分は何をするべきなのか?が明確になった点が良かったです。」
また、定期的に実施することで、成長速度や取り組み姿勢等を把握することも有効ではないかと考えます。
以上のように、研修の「実施目的」より、研修スタイル・研修講師・研修内容が異なります。まずは研修実施の目的を明確にすることが重要です。
実施目的ごとのまとめ
新人研修の目的 | オススメの研修 |
---|---|
ビジネスマナーの知識を定着させたい | eラーニング |
身体を使ってビジネスマナー、ビジネススキルを覚えさせたい | 対面研修 外部教育機関のオンライン研修 |
テスト形式で新入社員のビジネスマナー、ビジネススキルを確認したい | 外部教育機関の対面研修 |
どの研修会社を選ぶべき?外部教育機関の選定方法
多くの企業が、新入社員研修を外部教育機関に委託しています。しかしながら、研修会社によっては、研修内容や手法、金額などが異なるため、人事部や教育研修担当者は、「どの研修会社を選ぶべきか?」と悩むこともあります。
ここでは、研修会社を選ぶ際に注意すべきポイントや、研修会社を最大限に活用するための方法をご紹介します。
研修会社の選定で注意すべき点
以下のような理由で研修会社を選んでいませんか?
- 社名を良く聞く会社だから。知名度がある会社だから
- 採用媒体を提供している会社から勧められたから
- 周囲や知人の企業が活用している会社だから
- 値段がお手頃だから。調べた研修会社の中で費用が低価格だったから
- 相見積もりサイトから資料請求や自社診断をした中で、最も自社に適していそうと感じたから
- 自社から研修会社までの距離が近いから。研修会場の立地条件が良いから
上記の理由だけで研修会社を選んでいるのであれば、この機会に考え直してみてください。
知名度で選択してはいけない理由
有名な研修会社の研修を新入社員に受講させても、研修時間内で学べることには限りがあります。また、知名度のある研修会社でも、全ての講師が知識や指導技術、実績を持ち合わせている訳ではなく、経験の浅い登録講師の場合も多いというのが現実です。
子供で例えると、習い事や塾では、著名な先生がいる教室は人気があります。しかし、実際に習い事や塾に通い始めて、通い始めた行為に満足してしまっている場合も多いと聞きます。また、必ずしも著名な先生に教わることができるわけでもなく、教わることができたとしても、数十分や数時間の場合もあります。その数時間で物事が上達するわけではなく、習ったことや教わったことを継続していく上で重要な点を教えてくれることや、モチベーションを維持してくれるなど、一緒に伴走しながら弱点や課題点を1つずつ潰してくれる人が近くにいることの方が重要であり、実際に上達していくのです。
そのことを踏まえた上で、研修会社を選定することをお勧めします。
研修会社を選択する基準
それでは、どのような研修会社に依頼すればよいのでしょうか?従業員の皆様が一生懸命働き、得た利益の一部を使って新入社員への投資として研修を実施するのであれば、より濃密な内容にしたいと考えるでしょう。
そこで、以下に研修会社の選定基準として、以下を参考にしてみてください。
- 受講者ないしは受講企業の状況や課題点を、研修会社が把握・理解した上で、その内容を研修に反映しているか
- 研修後、受講者に対して課題を提示したり、フィードバックがあるか
- 研修後、企業に対して何らかの報告があるか
- eラーニングでは学べない、実践的なトレーニングが組み込まれているか
- 程よい緊張感のある研修か。受講者に対して優しすぎることはないか
- 社内人としてのマインドや社会の厳しさをしっかり教えてくれる研修か
- 研修内容が毎年変化しているか。時代の変化に伴い、ブラッシュアップされているか
単に決まっている研修内容を坦々と進めるのではなく、自社の実態に合わせてトレーニングを実施したり、研修内での気づきや課題を積極的に共有・報告してくれる場合は、費用対効果の高い研修会社と言えるでしょう。
「研修の内容が何年も前から同内容」という研修会社は要注意です。時代が変化していることはもちろん、受講者の持ち合わせている情報も時代と共に変化しています。その中で研修内容が何年も同内容というのは本来考えにくく、職場で活かせず机上論・綺麗事で終わってしまいます。
外部教育機関の有効な活用方法
ここまで研修会社を選ぶ上での注意点や研修会社を選択する基準について述べてきました。研修会社の選定ももちろん大切ですが、研修会社選びではなく研修会社をどのように活用するかを考えることの方が重要です。
外部教育機関を活用して足りない部分を補う
自社内で教育体系に基づいた研修を実施し、内製化することができるのが理想的ですが、中小企業においては教育専門の部署やチーム、教育センターを設けることが困難です。そのため、「研修会社にお任せする」のではなく、「職業能力開発計画に基づいて、外部教育機関を活用して足りない部分を補う」という方針で計画を立てることをおすすめします。
職業能力開発計画については、多くの中小企業が実施していないことが多いですが、重要な取り組みの1つとなります。弊社では「作成することよりも運用することが重要」と考えており、各社に適した簡易な計画の作成支援も行っています。簡易であっても、重要なポイントが明確になれば、受講者側も指導・教育を行う上司も、共通の目的の基に研修に取り組むことができます。
事業内職業能力開発計画とは
事業内職業能力開発計画は、従業員の職業能力の開発及び向上を段階的かつ体系的に行うために事業主が作成する計画として、厚生労働省で定義されている計画です。
従業員の仕事の種類やレベル別に、「何を身につけたらよいか」「そのためにはどのような学習・訓練を受ければよいか」を整理することができます。これらを明らかにして示すことで、企業の経営者や管理者と従業員が能力開発について共通の認識を持ち、目標に向かって進める「道しるべ」となり、効果的な職業能力開発を行うことが可能になります。
上記によって従業員の自発的な学習・訓練の取組意欲が高まることを期待されている制度です。
事業内職業能力開発計画の作成方法
現在、この計画の作成は、「職業能力開発促進法」第11条に基づき、事業主の努力義務となっています。事業内職業能力開発計画の作成に当たっては、決まった様式や記載内容の定めといったものはありません。形ではなく会社の独自性がわかりやすく表現されていること、従業員に正しく伝えられるものであることが重要視されています。
厚生労働省HPにも「事業内職業能力開発計画」作成の方法が掲載されています。
以上のように、研修会社の選定においては、知名度や研修内容だけでなく、その研修を受講後、受講者とその上司が職場でどのように行動していけるかを描けるような設計をすることが重要です。
「手段」より「目的」が重要
今回はおすすめの新入社員研修の方法から外部教育機関の有効な活用方法、活用の目的等について記載しました。全てにおいて共通することは、「手段」より「目的」が重要であるということです。
何のために新入社員研修を実施するのか、何のために外部教育機関を活用するのか、を良く考え、従業員の業務遂行レベルを向上させるために有益な研修を実施してください!
Sトレでは独自のプログラムを用いた新人研修を行っております。もし新人研修について詳しく知りたい方がいらっしゃいましたら是非お気軽にお問い合わせください。