Z世代の特徴・価値観・活かし方を深堀!新入社員と良い関係性を築く方法

新入社員と良い関係性を築く方法

管理職の中には、新入社員の考えることや扱い方が分からず、悩んでいる方も多いと聞きます。

今回のコラムでは、企業の管理職や新入社員の教育担当者が、Z世代新入社員とより良い関係性を築けるようにZ世代新入社員の特徴や価値観、活かし方を深堀します。

もちろん、全ての人が該当するわけではありませんが、育ってきた時代背景や環境の違いを認識していただく上でご覧ください。

Z世代とは何か

Z世代とは何か

Z世代(Generation Z)とは、一般的に1990年代中盤から2010年頃に誕生した世代のことで、2023年時点で年齢が13歳から27歳くらいの人が該当します。ただし、年齢の区切りに関しては諸説あり、1996年~2012年に生まれた世代とする見方もあります。

年代〇〇世代
1960年代~1980年頃X世代
1980年代~1990年代中盤Y世代
1990年代中盤~2010年頃Z世代

この世代の区分方法は、アメリカで生まれた概念です。

1960年代から1980年頃の生まれを「X世代」、1980年代から1990年代中盤の生まれで、2000年代初頭に成年期を迎えた人たちを「Y世代」と名付けたことに始まり、その次の世代であることから「Z世代」と呼ばれるようになりました。

Z世代が育ってきた環境

Z世代を取り巻く環境

Z世代の価値観や行動に影響を与えた出来事

Z世代が育ってきた時代には次のような出来事が起きており、価値観や行動に影響を与えています。

  1. SNSの普及
    Twitterが2006年に、Instagramが2010年にサービスを開始
  2. スマートフォンの時代の到来
    2007年にiPhoneが登場(iPhoneの国内ローンチは2008年)
  3. 世界的な経済不況
    2008年にリーマン・ショックが起きる
  4. 国外・国内の社会的事件
    2001年にアメリカ同時多発テロが起きる
    2011年に東日本大震災が起きる
  5. メディアの変化
    2014年に人気テレビ番組(笑っていいとも!等)の終了
    2014年にYouTube CM展開「好きなことで、生きていく」、YouTuberの台頭
  6. 働き方の変化
    2018年に「働き方改革」が社会スローガンになる
    2020年に新型コロナウイルス感染症パンデミックが起きる

Z世代の主な特徴

Z世代の主な特徴としては、以下のような内容が挙げられます。

  • スマートフォンと共に育ったスマホ第1世代である
  • ソーシャルネイティブである
  • 社会課題やSDGsへの関心が高い
  • 多様性を認め、受け入れる傾向にある
  • 自分の価値観に合うものを好む

Z世代新入社員について知っておくべきこと

Z世代新入社員について知っておくべきこと

Z世代新入社員の、考え方・価値観について

Z世代は生まれた時からデジタル機器やインターネット環境が身近にあるほか、多感な思春期の時期に大規模な自然災害やリーマンショックなどの社会不安・経済不況を経験しています。そのため、以下のような特徴があります。

  1. スマホネイティブ
  2. SNSネイティブ
  3. マルチタスクで、情報は瞬時に判断
  4. 多様性を自然に受け入れ、刺激を受けている
  5. 自分らしさを大切にする
  6. リアリストな一面もある

それぞれ細かく見ていきましょう。

❶スマホネイティブ

はじめて持ったデジタルデバイスがスマートフォンという人が多い世代です。情報収集はスマートフォンで行うことが多く、メディア離れが進んでいます。

「新聞を読んで情報収集を」という上司の言葉は、Z世代からすれば古いと感じることもあるでしょう。

❷SNSネイティブ

SNSを使いこなしており、常に友人たちとつながっていることが当たり前です。そのため、空気を読む力や周りと軋轢を生まないように自己表現する力に長けています。

「プレゼントは事前に欲しい物を相手に聞いておいたほうが失望されない」という考えがあるなど、奇妙な慎重さ、謙虚さを持ち合わせています。

❸マルチタスクで、情報は瞬時に判断

テレビでドラマや映画を見ながら、LINEで友達と連絡を取り、Twitterをチェックすることも日常茶飯事です。複数のコンテンツを同時並行で処理していくため、瞬時に直観的に情報を判断することが多いです。

❹多様性を自然に受け入れ、刺激を受けている

国境を越えてさまざまな情報にアクセスできるため、世界に多様な人や価値観が存在することも当たり前であると捉えています。韓国や中国のコスメブランドの愛用、メイクをしている男性タレントの支持、LGBTQのインフルエンサーのチェックなど、国境や性別の壁を越えて、社会には多様な人がいることを自然に受け入れています。

そして、受け入れるだけでなく、多様な背景を持つ人から考え方や行動について刺激を受けています。

❺自分らしさを大切にする

多様性を受け入れる価値観は、自分らしさを大切にすることにもつながっています。「仕事人間」のように企業へアイデンティティを預けるのではなく、公私をしっかりと分ける特徴があります。

❻リアリストな一面もある

リーマンショックや東日本大震災など、多感な年齢で経済や社会が不安定な時期を経験してきました。そのため、消費に対しては他の世代よりもかなり保守的です。

たくさんの物を所有するよりも、友達と楽しい時間を過ごすといった精神的な豊かさを求める傾向 class=”ttl_green”が強くあります。

Z世代新入社員の、仕事に関する価値観について

前述した様にZ世代にはZ世代特有の考え方・価値観があります。もちろん仕事に対しても同じです。Z世代新入社員のキャリア観には、以下のような特徴があります。

  1. やりたいことを重視、安定志向
  2. ワークライフバランスを重視
  3. 社会課題への貢献志向が強い
  4. 義務教育時代からキャリア教育を受け、働くことについて考えてきた

それぞれ詳しく見ていきましょう。

❶やりたいことを重視、安定志向

やりたいことを重視しつつも安定志向である、一見すると矛盾するようなキャリア観を持っています。

❷ワークライフバランスを重視

株式会社マイナビの調査の中で、就職観を問う質問では「楽しく働きたい」という回答が37.6%、次いで「個人の生活と仕事を両立させたい」という回答が22.7%となりました。

厳しい環境でバリバリと働くよりも、プライベートの時間を大切に、楽しく柔軟な働き方をしたいと考えている人が多いです。

❸社会課題への貢献志向が強い

仕事を通じた社会課題への貢献意欲も高く、令和2年版『子供・若者白書』では社会貢献に関する質問の中で「自分の職業を通じて社会の役に立ちたい」という回答が25.4%と最も多くなりました。

国内外問わず、環境問題や貧困、社会の不条理に対して何らかのアクションを起こしている人が多い世代でもあります。

❹義務教育時代からキャリア教育を受け、働くことについて考えてきた

日本のZ世代は、義務教育時代からキャリア教育を受けてきました。

小学生の頃には職場見学や働く大人へのインタビュー、中学生では職場体験、高校生や大学生のときにはインターンシップを経験している人も少なくありません。これまでの世代よりも仕事と人生について考える機会が多いため、理想の働き方や将来なりたい自分像を明確に持っている人もいます。

Z世代新入社員の活かし方

Z世代新入社員の活かし方

それでは、Z世代新入社員とどのように関わっていけば良いのでしょうか。実務、コミュニケーション、プライベートの3つの視点から考察します。

Z世代新入社員との、実務での関わり方

仕事の意味や目的を明確に伝える

仕事の意味や目的を明確に伝えます。社会貢献意欲の高さから、自分の仕事が社会のどの部分に役立つのかを理解できると、モチベーション向上にもつながります。

また、キャリアビジョンが明確な場合は、身につくスキルやキャリア形成上の位置づけなどを示します。

Z世代の思考やアイデアを活かす方法はないか考えてみる

社会課題への関心が高く、デジタルネイティブだからこそ気づく仕事の効率化や新たな事業アイデアがあるかもしれません。

Z世代のアイデアや考えを否定せず、彼らの思考を活かす方法を考えることで、社内に新しい変化を起こすことにもつながります。

Z世代新入社員との、コミュニケーションの取り方

傾聴を意識する

日ごろからSNSを活用しているため、“自分なりの考え”を表現する力も高い傾向にあります。一方的な指示・命令よりも、Z世代新入社員の考えていることを引き出すようにしましょう。

そのうえで現在の仕事の意味付けや彼らのやりたいこととのすり合わせを行うと、Z世代新入社員の入社後の満足度も変わってくるはずです。

オープンなコミュニケーションを意識する

Z世代はさまざまな情報にアクセスすることが得意です。膨大な情報の中を自由に行き来できる彼らにとって、情報はオープンであるべきものなのです。

ただ、全社員には現時点ではどうしても言えない情報があるのも事実です。その場合は、なぜ言えないのかを明確にしながら、なるべくオープンにコミュニケーションをとるよう心掛けましょう。

上司の若いころと比較するのは無意味。その人ならではの部分に注目する

Z世代が育ってきた時代背景はこれまでの世代と大きく異なります。また、自分らしさを大切にしている世代でもあります。

上司の若いころと比較して叱咤激励するのではなく、その人ならではの伸びしろ部分を指摘したり、良いところを褒めてあげる方がZ世代に伝わるコミュニケーションとなります。

Z世代新入社員の、プライベートに対する理解

プライベートは尊重する

Z世代はプライベートをとても大切にしています。家族や友人関係、趣味などのプライベートには必要以上に踏み込まず、尊重することが大切です。

但し、プライベートの時間を尊重しつつも、なぜ今この仕事をやってほしいのか、いつまでにどんなクオリティで仕上げてほしいのかを伝えることで、仕事へのコミットを促していきましょう。

適切な距離感をとる

仕事とプライベートを分け、適切な距離感で接することも重要です。特にSNSについては、私生活の一部をアップしたり、彼らの考え方を赤裸々に語ることも多く、仕事とは切り離して運用したい人も多い世代です。

SNSアカウントを見つけても気軽にフォローしない方がよいでしょう。

管理職とZ世代新入社員の関わり方まとめ

管理職とZ世代新入社員の関わり方まとめ

Z世代新入社員は今後、人口減による労働力不足に陥る社会のなかで、中心的な立場を担うとされています。とくに「2025年問題(※)」に直面するタイミングで、Z世代の多くが中堅層に差し掛かり、働き盛りを迎えます。
少子高齢化によって年を追うごとに若手人財の採用が難しくなるなかで、Z世代は企業にとって要となる存在になると指摘されています。

※2025年問題

2025年を境に団塊世代が後期高齢者となり、国民の4人に1人が後期高齢者となる「超高齢社会」へ突入すると言われています。

だからこそ、Z世代新入社員と上司の“歩み寄り”が重要です。育ってきた時代や環境の違いを、両者が認識し、両者の強みを活かし補えるような関係性を構築できると、お互いにストレスが少なく仕事に取り組めるでしょう。

そのうえでも「教育」はいつの時代においても重要です。

Sトレーニングでは、新入社員研修・中堅社員研修・管理職研修と、階層別研修を設けていますが、育ってきた時代背景も踏まえ、各自が理解・イメージがしやすい内容で、各階層に必要な知識の提供・技術の習得を促しています。

未来を担う、Z世代新入社員をしっかり育てていくためにも、Sトレーニングの研修トレーニング®をご活用ください。

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