新入社員入社後はトレーニングとキャリア開発プログラムが重要!

「トレーニング」と「キャリア開発」の重要性

企業内のトレーニングとキャリア開発は、従業員や求職者が自分の将来を描く際に考慮する要素の上位に位置づけられています。

実際、LinkedInの2019 Workforce Learning Reportによると、従業員の94% が、「学習支援に投資してくれれば会社に長くとどまる」と答えています。

昨今、学習はかつてないほど重要になっています。LinkedInの調査によると、Z世代とミレニアル世代の約4分の1が、「仕事で幸せになる一番の理由は学習である」と述べていて、Z世代とミレニアル世代の4分の1以上が、「仕事を辞める理由の第1位は、学び、成長する機会がないから」と回答しています。

したがって、新入社員にトレーニングプログラムを提供する際には、自分のキャリア開発を描けることや、新入社員が成長を実感できる内容を含めることが必要不可欠です。

本記事では「トレーニング」と「キャリア開発」の重要性について解説してきます。是非最後までご参照ください。

新入社員研修はどのようなものであるべきか

活躍できるようサポートするプログラム

オンボーディングとトレーニングプログラムを開発する

早期に職場で慣れるために、オンボーディングとトレーニングプログラムを開発する必要があります。

オンボーディングとは

新卒採用者や中途採用者などを組織に早く馴染ませ、活躍できるようサポートするプログラムです。このプログラムを通じて、新入社員が組織の一員として定着し、戦力化されるプロセスが進められます。

トレーニングの種類

トレーニングには、オンボーディング、コンプライアンス研修、役割別強化研修、業務研修、選択的学習など、多様な種類があります。これらのトレーニングを行うことで、従業員はより高い能力を発揮し、企業に利益をもたらします。

  1. オンボーディング
    まず企業を紹介し、ミッションやビジョン、価値観などを学ぶ
  2. コンプライアンス研修
    新入社員が職務に関する法律や規制、ポリシーについて最新の状態を維持できるようになる
  3. 役割別強化研修
    従業員が、自分の役割内で行う仕事の種類と方法に慣れることができる
  4. 選択的学習
    従業員が最も関心のあるスキルや能力を開発することができる

オンボーディングはトレーニングの始まりであり、新入社員は継続してトレーニングを受講する必要があります。これにより、より高い能力を発揮し、企業の成長に貢献することができます。

新入社員研修のねらい

新入社員研修のねらい

従業員のトレーニングと能力開発を導入すると、企業に強力なメリットがもたらされます。
それらのプログラムは、以下のようなメリットをもたらします。

メリット
  • 従業員が自信を持つ
    創造的かつ革新的になるための方法を学ぶことで、従業員は自信を持って仕事に取り組めるようになります。プログラムの講師は、従業員であり、問題解決者になるように教えます。
  • 従業員の定着率が高まる
    従業員のエンゲージメントを向上させ、従業員の定着率を高めます。
  • 財務上の利益をもたらす
    業務における各種プロセスの効率を高め、財務上の利益をもたらします。
  • エンゲージメントを高める
    与えられた業務をこなしていく方法やツールの使用方法がわからないことによるストレスを軽減し、従業員が関心を持っているスキルを伸ばす機会を提供することで、エンゲージメントを高めます。

トレーニングを実施しない場合、企業は従業員が本来持っている潜在的な能力を引き出すことができず、それは企業にとってもデメリットとなってしまいます。

なぜ継続トレーニングが重要なのか

4月の新入社員研修を受講後、新入社員の就業状況や継続トレーニングの状況を確認し、記録していくことは重要です。弊社では、新入社員研修を「集中トレーニング」とし、職場での取り組みを「継続トレーニング」と区別しています。

継続トレーニングによって職場定着率が上がりやすい

アメリカでは、従業員の40%近くが継続トレーニングが不十分な場合、1年以内に仕事を辞めると言われています。また、コンプライアンス違反や認定資格の不足により、業務が停止する可能性がある厳しい規制を受けている業界では、新入社員の継続トレーニングを通じて、職場にいるすべての社員が安全かつ合法的に業務を行うことを意識させています。特に建設や医療業界での継続トレーニングは重要です。

新入社員や上司の組織運営状況を理解しやすい

継続トレーニングを実施している人、実施していない人を把握することで、新入社員や上司の組織運営状況を理解するのに役立ちます。例えば、組織内の特定領域で問題が発生している場合、継続トレーニング状況を確認することで、問題を発生させている従業員が上司から適切な指導や助言を受けているかどうかを把握できます。これにより、上司と新入社員の誤解を防ぎ、職場の生産性を向上させ、より良い協力体制を作り出すことができます。

どのように継続トレーニングの確認をすべきか

チェックリスト

専用のシステムを導入することもできますし、費用の軽減を目的とした場合は、Excelやスプレッドシートでも代用できます。まずは簡単なチェックリストの作成から始めましょう。

トレーニングの年間計画を立てることも重要ですが、それ以上に新入社員に対して、トレーニングの実施目的や達成すべき目標、新入社員へ何を期待しているかを知らせた上で、円滑に進行していくことが重要です。

新入社員向けの効果的なトレーニングの年間計画は、以下のような手順で作成すると良いでしょう。Excelやスプレッドシートに記録し、更新を重ねていきます。

  1. 新入社員に習得させるべきビジネススキル目標を設定する
  2. 新入社員の現状のビジネススキルと目標のギャップを把握する
  3. 継続トレーニング目標を設定する
  4. 組織として達成する必要がある目標と新入社員(個人)の目標を一致させる
  5. 新入社員の継続トレーニングを実施する
  6. 適宜上司からフィードバックを得る機会を設ける
  7. 定期的にテストを実施して(検証)、新入社員のビジネススキルの習得状況を確認して、継続トレーニングプログラムを調整または改善する

初めて取り組む際は、計画通りに進まないことが多いはずです。綿密な計画を立てることも重要ですが、あまり計画に拘り過ぎず、適宜改良していく考えて始めていくことも良いでしょう。

継続トレーニングの中で、従業員の個々の強みを活かす

従業員の個々の強みを活かす

トレーニング中に多くの場合、従業員の改善の機会を特定し、弱いスキルを開発することに焦点を当てています。

しかしながら、弱い個所を強化することも大切ですが、従業員の強みを伸ばすことも重要です。強みに基づいた学習により、従業員のエンゲージメントが最大23%向上し、離職率が73%低下するというデータがあります。

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トレーニングとオンボーディングのプロセスで時間をかけて、新入社員の関心と強みについて把握し、専門知識を磨く職業能力開発計画を作成できると良いでしょう。

トレーニングプログラムを導入し、組織力を向上させる

効果的なトレーニングとキャリア開発プログラムは、新入社員へ企業の人材育成の方針が伝わり、新入社員にとっても歓迎されていると感じられることで、企業文化に順応し、生産性を向上させるのに役立ちます。新入社員の継続トレーニングや新たな学習の機会は、熟練したチームメンバーの成長にも役立ちます。これらを実施していくことで、早期の従業員エンゲージメントと満足度につながります。

つまり、効果的なトレーニングとキャリア開発プログラムは、従業員の満足度とエンゲージメントを向上させ、より早く企業が求める人材に成長させていくことや組織力を強化していくことにもつながります。

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